鹿児島県奄美大島 山田酒造
幾多の試練を乗り越え、家族愛で醸す甘露な香り。
奄美空港から車で30 分。山田酒造は、奄美らしい手つかずの美しい自然と深い緑に囲まれた大島郡龍郷町にあります。創業は1957 年。二代目の山田隆さんご夫婦と、その息子である三代目の山田隆博さんご夫婦の四人家族で営む蔵元です。祖父から譲り受けた畑を使い、無農薬のサトウキビ栽培も行っています。
山田酒造のこだわりの一つとして、醪(もろみ)の泡立ちが有名です。一般には黒糖に雑味があると良く泡立つといい、そのため蔵によっては泡立ちを嫌うのですが、山田酒造はあえて泡立たせることによってこの蔵特有の「黒糖をかじったような味」を生み出していると言います。
いまでこそ多くのファンを抱える山田酒造。十年以上前、この蔵は龍郷町唯一の酒造場でした。ある日、大手酒造が移って来たことをきっかけに売り上げが落ち込み、一時は蔵を閉める事さえ考えたと語るのは二代目の山田隆さん。それでもあきらめずに「山田酒造らしい美味い焼酎」を造り続けました。「あんな状況で耐え続けた精神が凄いですよ。俺だったら絶対やめてましたよ。」そう振り返る三代目の隆博さんは、尊敬する人物は?という問いに、照れながらも「父親」と答えます。
黒糖の味や香りを大切に、妥協することなく造り続けた山田酒造の焼酎は、年間400 石程という少量生産。黒糖焼酎ファンなら一度は口にしてみたいと思う逸品です。
有限会社山田酒造
鹿児島県大島郡龍郷町大勝1373-ハ