鹿児島県薩摩郡 小牧醸造
百年の歴史を受け継ぎ、兄弟二人三脚で、これからの100年を醸す。
鹿児島空港から車でおよそ60 分。薩摩郡さつま町の鹿児島一級河川「川内川」の傍に小牧醸造はあります。創業100 年の歴史をもつこの蔵は、その長い歴史の中で3 度も水害によって壊滅的な被害を受けてきました。蔵元が蔵を失うという事は単に財産を失う事だけでなく、蔵付きの酵母、伝来の甕、脈々と受け継がれて来た歴史を失うに等しいことです。
「さすが三回目は、蔵も終わったぁと思いましたよ」と弟の尚徳さんは振り返ります。ただ、小牧醸造はその度に復興を遂げて来ました。取引先や有志の方達の援助もあり、二ヶ月で焼酎造りを再開することが出来たそうです。「あの時、人との繋がりの大切さが本当によくわかりました。」
昔ながらの製法にこだわり、原材料の芋や麹と真摯に向き合い手作業で行う焼酎造り。醪(もろみ)を作る芋の下処理においても気を抜きません。出来あがった醪を見ると、まるで濃厚なカスタードクリームのような濃いクリーム色の美しさに思わず見とれてしまうほど。兄の一徳さんは力強く語ります。「下処理を行うスタッフもふくめて、皆、良い焼酎をつくろうという気持ちを共有しています。この気持ちが無いと仕事も雑になるし、良い焼酎は生まれません」
何度蔵を失っても、蔵人がいるかぎり、この蔵の伝統の甕仕込みと手漉き濾過の技術が失われないように、小牧醸造の焼酎への情熱も、消えることなく五代目の兄弟二人へと受け継がれているのです。
小牧醸造 株式会社
鹿児島県薩摩郡さつま町時吉12番地