MESSAGE 代表者メッセージ

生産者と共に、世の中に新しい価値を。

生産者と共に世の中に新しい価値をもたらし
食のあるべき姿を追求する

私が「みやざき地頭鶏」に初めて出会った時、その美味しさに驚き、この感動を世の中に届けたいと強く思いました。

当時、この魅力の詰まった食材は国内においてもほとんど認識されておらず、一部の人が楽しむ食材として存在していたと思います。

希少価値と言ってしまえばそれまでですが、自ずと価格が高くなる流通構造により市場にはなかなか出回らず、価格故に求める人も多くないことがさらに希少性を高め価格を上げている。こうした背景が産地を悩ませていました。

地鶏が持つ大きな可能性を、皆様の日常の中に届けたい。

慣習に囚われず、自分たちで生産から販売まで一貫して携わるビジネスモデルがあれば、流通量も増え増産が必要になる。

それは地域活性へつながり、適正な価格での取引が発生し、生産者も消費者も、そして我々も幸せになれる構造に発展していくと確信しました。

もちろんこれを叶えるのは簡単なことではありませんでしたが、熱意をもって突き進んできた結果、居酒屋という“ケの日”における利用シーンが、高級食材の地鶏にもたらされ、塚田農場で実現し、それを魚やホルモン、鴨など他の食材にも展開してまいりました。

我々の経営理念『食のあるべき姿を追求する』には、これまでにはなかった革新的な仕組みづくりが必要です。

そのためには外食産業だけではなく、生産・加工・流通・卸・小売などにも関わり、あらゆる可能性を模索し結びつけること。

また、全国の地域に眠る食・食材を発掘し、その「おいしい理由」を明確にして、消費者の皆さまにしっかりと伝えていくこと。

コロナ禍を通じて、外食業界はかなりの苦境に立たされました。

それにより別の道を選んだ方も多くありましたが、残ってくれた人材と改めて経営理念に立ち返りることで凝集性を高めつつ、その企業理念に共感する新たな仲間と繋がっていくことで、以前よりも厚みのある人的資本を形成し、これからも世の中から必要とされる企業として、エー・ピーホールディングスの価値を向上してまいります。

代表取締役会長 兼 ファウンダー 米山 久

再び外食業界・食産業を変える存在へ

「居酒屋なのに、めちゃくちゃおいしい‼」

私が当社の店舗に初めて行ったのは2016年の秋、当時の会社の同僚に連れられて行った塚田農場でした。

そこでは、行き慣れていた同僚たちがスタッフの親しみのあるコミュニケーションに魅了される中、私は一人で「普通の居酒屋なのに、めちゃくちゃおいしい」と看板料理の地鶏炭火焼をはじめとする料理を食べながら驚愕していました。

実は2014年頃に他社が展開する「〇〇農場」という模倣ブランドの店舗に、違いもよくわからず行ったことがあり、そこでの体験が期待値より低かったことで、もう塚田農場にも興味がなくなってしまっているという今思えば典型的な一消費者そのものでしたが、その体験で大きく認識を改めたところでした。

活かせていなかった素晴らしき強み

その後、縁あって2018年8月に海外事業や国内の新規事業を担当する執行役員として入社、様々な課題解決をする中でわかったことが2つあります。

1つ目は、産地や食材に対する理解、おいしさに対するこだわり、お客様により素晴らしい食体験を提供したいという想い、そしてその想いに賛同する社内外の仲間、など企業理念である『食のあるべき姿を追求する』ことに対する熱量の高さと保有しているリソースの多さ、などの当社固有の強み。

そして2つ目は、上場後に成長を強く指向した結果、店舗数・展開地域・業態数などの拡大に対応できず、それらの強みを活かしきれなくなっていたということです。

変わってしまった世の中

加えて、コロナ禍を通じ、我々が主戦場とする外食業界を取り巻く環境は大きく変わりました。

リモートワークの定着、会社呑み会の減少、価格帯の二極化、デリバリー・お取り寄せなどによる内食・中食市場の拡大、購買行動のスマートフォンシフト、それに伴うカテゴリーを越えた購買選択行動、様々なツールやサービスの出現によるデジタル化の進展、更に多様化する集客手段など、これまでの外食業界における勝ちパターンを大きく変えないと、もっというと食産業全体を見据えた新たな姿にならないと、生き残っていけない世の中になってしまいました。

再び世の中を変える存在へ

普通であれば途方に暮れる状況かもしれません。しかしながら、我々には前述した企業理念のもとに培ってきた強みがあります。

変わってしまった環境の中で、我々の強みを活かして価値を創出できる機会やチャンスを見出し、変わってしまった世の中における『食のあるべき姿』を描き、実現してまいります。

「産地直結」「六次産業」の先駆け的な存在として外食業界を大きく変えてきた我々が、今度は、コロナ後の外食産業だけでなく食産業ひいてはこの世の中を大きく変える存在になるべく、新体制のもと引き続き邁進してまいります。

代表取締役 社長執行役員CEO 野本周作